石破茂首相は4日の衆院予算委員会で、先の大戦の検証を巡る自身の見解を表明することに、前向きな姿勢を示した。戦後80年に合わせてコメントを出すべきだと求められ「風化を避け、戦争を二度と起こさないための発出は必要だと思っている」と述べた。有識者から個別に意見聴取していることも、関係者への取材で分かった。
首相は予算委で「わが国が今年、世界に向けて何を発出するか、私自身の思いとして強いものがある」と強調した。
過去の首相談話について「積み重ねは大事にしたい」と言及し、踏襲する考えを表明。それぞれの談話を子細に読んだ上で判断したいと語った。
安倍政権の戦後70年談話で、先の大戦を巡り「国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった」と記載した内容に関し「なぜなのか。きちんと考える必要がある」とも指摘した。
首相は、見解作成の参考とする有識者会議の設置を見送り、水面下で有識者の意見を確認している。戦後80年となる今月15日の「終戦の日」には示さない方向だが、別の機会に発信する可能性は残る。