歌手で俳優の吉川晃司さん(59)がこのほど、東京都写真美術館(目黒区)を訪れ、「被爆80年企画展 ヒロシマ1945」を見学し、平和への思いを語った。広島県出身で被爆2世の吉川さん。原爆投下後の広島で市民や記者らが撮影した写真などに見入り「子どもの頃に見て覚えている写真もあったが、大人になって見た方が強烈だった。戦争は二度とあってはいけない」と訴えた。
吉川さんの父の実家は、原爆ドームの向かいで旅館を営んでいた。入市被爆した父は戦争体験を話すことは少なかったが、晩年にぽつりぽつりと語るようになったという。被爆80年を前に、吉川さんは「今は(平和への思いを)言葉にすることが大事。できる限りのことをしたい」と話した。
世界で紛争が続く現状に「世紀末のようで、懐疑的な思想やきな臭さが増している」と分析。情勢を現実的に見極めなければならないとした上で、「理想的には核兵器は地球上から全て廃棄するべきだ」と強調した。