イスラエルによる封鎖で飢餓が広がるパレスチナ自治区ガザで、情報発信を背負ってきた地元記者らが住民と同様、飢えに苦しんでいる。戦闘が長引き多くの仲間が犠牲になる中、報道活動を続けるが、食料不足で体力も気力も限界に近い。イスラエルは外国人記者の入域を認めておらず、地元記者らの危機に「メディアを黙らせようとしている」と批判が高まる。
「1日1食はもはやぜいたくだ」。共同通信のエスドゥーディー通信員が話す。空腹によるめまいに苦しみながら、食料にありつけず動けなくなった記者仲間の分まで取材することもある。
「パレスチナに自由が訪れるまで、ガザの物語を伝え続けてほしい」。イスラエル軍の爆撃で亡くなった仲間の言葉が、職務へと駆り立てるという。
「報道の仕事をする体力がもうない」。フランス通信(AFP)の男性カメラマン、バシャール氏(30)は7月19日、SNSに現状を書き込んだ。
ニューヨークに本部を置く民間団体、ジャーナリスト保護委員会によると、空腹のため記者が中継時に意識を失う事態も発生している。