農林水産省は4日、2025年上半期(1~6月)の農林水産物・食品の輸出額が前年同期比15・5%増の8097億円だったと発表した。上半期として過去最高だった。前年同期は、東京電力福島第1原発の処理水放出に反発した中国が日本産水産物の輸入を全面停止したことで減少したが、米国などでの販路拡大により回復した。
農水省はインバウンド(訪日客)増で日本食の認知度が向上し、海外で日本食レストランが増えたほか、現地スーパーでの取り扱いが増えたことも寄与したとみている。
政府は25年の輸出額を2兆円に引き上げる目標を掲げている。中国が日本産の水産物などの輸入再開に向けた手続きを進める一方、今月7日にはトランプ米政権による15%の相互関税の発動を控えており、目標達成は予断を許さない。
国・地域別では、米国向けが前年同期比22・0%増の1410億円で首位だった。ホタテ貝、緑茶、ブリの引き合いが強かった。
2位は香港で3・4%増の1068億円。中国が15・0%増の902億円で続いた。日本酒や丸太、飼料が伸びた。