フレスコ画の技法による鮮烈な画風で知られ、長野冬季五輪の公式ポスターの原画などを手がけた洋画家で文化勲章受章者の絹谷幸二(きぬたに・こうじ)さんが1日、悪性リンパ腫のため東京都文京区の病院で死去した。82歳。奈良市出身。葬儀・告別式は9日午前10時半から、東京都港区芝公園4の7の35、増上寺光摂殿で。喪主は妻宏美(ひろみ)さん。
東京芸術大在学中にフレスコ画を知り、イタリアに留学。その技法を応用した作品で評価を受けた。
帰国後の1974年、「アンセルモ氏の肖像」で安井賞を受賞。長野冬季五輪の公式ポスターの原画を制作したほか、公共建築物の壁画や天井画も多く制作。鮮やかな色彩を多用した作品が幅広い層から支持を得た。
東京芸術大や大阪芸術大で後進の指導にも当たった。
2001年日本芸術院賞を受賞。14年文化功労者、21年文化勲章。