【パリ共同】スペインの空港で7月下旬、ユダヤ系フランス人の子どもらのグループが「迷惑行為に及んだ」として強制的に飛行機を降ろされた。グループ側は「反ユダヤ主義的だ」と批判。スペインの閣僚が子どもらを「イスラエルの悪童」と呼んだことにフランス政府も猛反発し、両国の対立が激化している。欧州メディアが伝えた。
グループは44人の子どもと8人の大人で、サマーキャンプのためスペインを訪れていた。7月23日、バレンシアの空港から帰途に就こうとしたところ強制的に降ろされた。
航空会社のブエリングは「緊急装備を誤って扱い、乗務員の指示を繰り返し無視した」と主張。反ユダヤ主義的な意図も強く否定している。英BBC放送はこの主張を否定する乗客の証言を伝えた。サマーキャンプの主催者は「宗教に基づく差別だ」などとして、ブエリングを提訴する方針を示した。
さらに事態を悪化させたのが、スペインの運輸相によるXの投稿だ。その後削除されたが、フランス政府はユダヤ系フランス人とイスラエル市民を同列に扱い不適切だと強く抗議した。