大阪・関西万博の入場券販売が月内にも損益分岐点となる1840万枚を突破し、運営費収支が黒字化する見通しとなった。日本国際博覧会協会(万博協会)副会長の吉村洋文大阪府知事が実績を踏まえて明らかにした。吉村氏は「必ず黒字にする」と目標に掲げており、関係者は歓迎。今後はレガシー(遺産)の議論が焦点となる。
万博協会によると、7月25日時点の累計販売枚数は約1705万枚で、1週間当たりほぼ40万~50万枚台で推移している。吉村氏は31日にあった関西広域連合の会合で、8月中に目標を達成するとの見込みに触れて「運営費は黒字になる可能性が高い」と報告した。
入場券の売り上げは、人件費や広報宣伝費を含む運営費の財源。赤字になった場合は国と府・大阪市、経済界で負担方法を協議する段取りだけが決まっており、いずれも穴埋めを否定していた。吉村氏は1日、入場券の販売状況に関し「万博の中身が充実し、支持されている結果だ」と府庁で強調。横山英幸市長も記者会見で「引き続き緊張感を持ちつつ魅力を発信したい」と語った。