【ジュネーブ共同】世界気象機関(WMO)は31日、米国で2017年10月に発生した稲妻が829キロメートルに及んだとして、世界で最も長い記録だと認定したと発表した。これまでの最長は20年4月に米国で発生した768キロとされていたが、最新の衛星技術を用いて再調査した結果、記録が更新された。約830キロはおおむね東京から札幌までの直線距離に相当する。
WMOのサウロ事務局長は「雷は毎年、世界中で多くの死者を出している」と指摘。航空障害や山火事などにつながる長い稲妻をどのような雷雲が生み出すかについて新たな発見があれば、安全対策に生かすことができるとした。
今回の新記録は、米南部テキサス州の東部から中西部ミズーリ州カンザスシティーに及び、旅客機で少なくとも90分かかる距離だという。記録には8キロ前後の誤差があるとしている。
WMOは気温や降水量、竜巻などさまざまな気象現象について極端な例を記録している。