滋賀県東近江市の病院で03年に患者が死亡し、殺人罪で服役後に再審無罪が確定して国と県に損害賠償を求める訴訟を起こした元看護助手西山美香さん(45)は31日、県に約3100万円の賠償を命じる一方、国への請求を棄却した大津地裁判決を不服とし、控訴した。
地裁判決は、刑事が西山さんが否認する調書を作成せず、弁護人への信頼を失わせるような言動で虚偽自白を維持させたと指摘。また患者が「たん詰まり」で死亡した可能性を示す捜査報告書の不送致により適切な判決が受けられなくなったとして、県警の捜査の違法性を認めた。
検察の起訴は当時の捜査資料から相応の合理性があったとして国への請求を退けた。