【ニューヨーク、ワシントン共同】カナダのカーニー首相は30日、9月の国連総会でパレスチナを国家として承認する意向を表明した。フランスや、条件付きで同様の方針を示した英国に続き、先進7カ国(G7)で3カ国目。2023年10月の戦闘開始以降、パレスチナ自治区ガザの死者が6万人を超え、人道状況も深刻化する中、イスラエルへの圧力を強める動きが急速に広がっている。
G7ではイスラエルの後ろ盾の米国、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の加害責任を抱えるドイツは国家承認しない方針。日本やイタリアも態度を明確に示す必要に迫られる可能性がある。英国は、イスラエルがガザ停戦で合意し飢餓などへの対策を取らなければ、国家承認に踏み切るとしている。
カーニー氏は記者会見で、パレスチナ自治政府のアッバス議長とパレスチナの非軍事化や来年の総選挙実施などを約束したと強調。イスラエルとパレスチナの「2国家共存」でしか「平和と安全は実現しないが、その可能性が失われつつある」と説明し「協調した国際行動を遅らせるわけにはいかない」と訴えた。