【北京共同】中国政府は「微短劇」と呼ばれるスマホ向けショートドラマで抗日戦争の歴史的事実からかけ離れた娯楽性の強い作品が増えていることを受け、関係当局に内容の審査・監督を強化するよう求める指針を出した。中国メディアが30日までに伝えた。
習近平指導部は抗日戦勝80年に当たる今年、日中戦争の歴史に関する情報発信を強化しており、9月3日の戦勝記念日に合わせて抗日映画・ドラマが続々と公開される予定。1話当たり1~2分程度の微短劇は若者を中心に大人気で、新たなソフトパワーとして当局も宣伝に活用している。
スマホで料金を支払って見る微短劇は、視聴者の関心を引くため劇的なストーリー展開が特徴だ。制作コストが低いため新規参入が急増。村人がパチンコで旧日本軍兵士を倒したり、スマホやドローンなど当時は存在しなかったハイテク機器が劇中で用いられたりと荒唐無稽な作品が散見される。
国家ラジオテレビ総局は主人公を過度に超人的に描くことや軍事常識から外れた「神技」の使用、幼稚なストーリー展開をやめるよう要求した。