【マニラ共同】フィリピンのラザロ外相は29日、日本で議論されている憲法9条の改正について「今は世界が変わった」とし、フィリピン側に懸念はなく、むしろ日本との防衛協力に寄与するとの見解を示した。終戦の日に在フィリピン日本大使館が主催してきた戦没者慰霊祭を巡り、政府高官の派遣を「真剣に検討している」とも明かした。共同通信との単独会見で表明した。
フィリピンは、日本人約50万人が命を落とした太平洋戦争の激戦地。フィリピン人は2倍超の約110万人が犠牲になり、反日感情が高まった。だが、ラザロ氏は戦後80年を経た現在の日本との連携を強調し「日本の憲法改正に何ら問題はない」と断言。フィリピン側は「感情的な抵抗を感じていない」と指摘した。
ラザロ氏が1日の外相就任後、メディアと単独会見するのは初めて。
ルソン島ラグナ州のカリラヤ日本人戦没者慰霊園では毎年8月15日に慰霊祭が行われ、マルコス大統領がメッセージを寄せてきた。だが司会や演説は日本語で、フィリピン高官は姿を見せないのが通例になっていた。