海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)は30日、無人の深海巡航探査機「うらしま8000」が、目標だった水深8千mを超える深海まで潜航し、海底の地形を探査することに成功したと明らかにした。水深3500mまで潜航可能だった機体を改造し、従来は到達できなかった場所も含めて日本の排他的経済水域(EEZ)の約98%を調べられるようにした。
うらしま8000は全長約10m、重さ約7トン。指定されたコースを自動で航行し、音波で海底の地形や地層を調べる。
今回は7月19日~30日の航海中に6回の潜航を実施した。千葉県の房総半島沖にある伊豆・小笠原海溝では水深8015mに到達し、海底の地形を約30分間観測。解像度は2mと、船から音波を発射して調べる方法の100倍にもなった。レアメタル(希少金属)のコバルトを多く含む岩がある地点では、岩盤の硬さを詳しく調べた。
また、宮城県沖の日本海溝で水深7千mを超える場所では、約25時間半かけて南北7・5キロ、東西5・5キロの広い範囲を探査した。