【クアラルンプール、バンコク共同】国境地帯で軍事衝突を続けてきたタイとカンボジアは28日、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国マレーシアで首脳による協議に臨み、停戦に合意した。仲介したマレーシアのアンワル首相が記者会見で、両国が「無条件で即時の停戦に合意した」と明らかにした。協議にはタイのプムタム首相代行、カンボジアのフン・マネット首相が出席し、会見にも立ち会って三者で握手を交わした。
24日に始まり、双方で民間人ら30人以上が死亡した軍事衝突は収束に向かう。トランプ米大統領は停戦を求めて両首脳と電話会談し、中国も「建設的な役割を果たす」と表明。タイは米国の同盟国で、中国はカンボジアに強い影響力を持っており、米中の圧力が奏功した形だ。ただ国境未画定地域に関する具体的な合意は示されず、今後も衝突再燃の懸念が残る。
三者の共同声明によると、両国は現地時間29日午前0時の停戦発効と、同日朝に両国軍の司令官による非公式協議を開催することで合意した。8月4日に2国間協議に臨む日程でも一致した。