自民党は28日、大敗した参院選を総括する両院議員懇談会を開き、続投を表明した石破茂首相(党総裁)への批判が出席者から相次いだ。首相は終了後「内閣として日米関税交渉合意を着実に実行する重い責任がある」と強調し、辞任を否定した。森山裕幹事長は参院選総括後の引責辞任に含みを持たせた。併せて、正式な議決機関である両院議員総会を開催する方向で党役員会が29日に協議する考えを示した。
首相は懇談会の冒頭、参院選を巡り「大変厳しい結果で、多くの議席を失った。深く、心からおわび申し上げる」と述べた。関税交渉合意やコメ政策、社会保障と税の在り方を例示して「国家に対し、決して政治空白を生むことがないように責任を果たしたい」とも訴えた。
出席者の一人は記者団に「半分以上から退陣要求が出た」と明らかにした。両院総会の開催を要求する声も上がった。船田元・衆院議員総会長は関税措置に対応するには「首相が一番ふさわしい」と続投を支持したが、こうした意見は少数にとどまった。
懇談会は、当初想定の2時間を大幅に超えて約4時間半に及んだ。