【プノンペン、バンコク、ニューヨーク共同】タイとカンボジアの国境地帯の軍事衝突で、カンボジア国防省報道官は26日、タイの攻撃により民間人8人と兵士5人の計13人が死亡し、計70人以上が負傷したと発表した。国連安全保障理事会は25日、非公開会合を開き、カンボジアの国連代表部は終了後、タイに「即時停戦を要請した」と記者団に明らかにした。
会合では両国に最大限の自制と外交的解決を求める声が上がったという。カンボジア国防省報道官は民間人への攻撃は「戦争犯罪だ」と非難した。
一方、カンボジアと国境を接するタイ東部チャンタブリ県とトラート県の軍司令部は25日夜、両県の一部地域に戒厳令を発令した。現地の軍幹部は「非常事態に備えた措置」だと説明した。
タイ外務省当局者は戒厳令で現地の軍当局には治安維持に必要な権限が与えられるとした上で、現時点で市民の行動は制限を受けておらず両県の危険性は低いと述べた。
両県は軍事衝突が続く東北部のシーサケート県やスリン県などとは離れており、タイ湾に面している。