任期満了に伴う川崎市長選(10月12日告示、26日投開票)に被差別部落の地名をウェブ掲載するなどした出版社「示現舎」(同市)の代表宮部龍彦氏(46)が無所属で立候補することが25日、分かった。宮部氏が共同通信の取材に明らかにした。示現舎側は、プライバシー侵害だとして各地で提訴され、一部訴訟で敗訴が確定している。
宮部氏は立候補の理由の一つに、ヘイトスピーチに刑事罰を科す全国初の同市条例を挙げ、表現の自由を侵害するとして「廃止を目指す」と話した。近く記者会見し、正式表明する方針。
示現舎を巡っては、被差別部落の地名リストを掲載した書籍の出版やウェブサイト掲載がプライバシー侵害だとして提訴され、2024年に最高裁で、サイトの該当部分削除と出版禁止、損害賠償を命じた二審東京高裁判決が確定。ほかにさいたま、新潟、大阪地裁でも提訴された。
市長選には25日、政治団体「川崎民主市政をつくる会」役員の野末明美氏(60)が川崎市内で記者会見を開き、無所属で立候補する意向を表明した。