【ワシントン共同】米原子力規制委員会(NRC)は24日、廃炉が決まっていたパリセイズ原発(中西部ミシガン州)の再稼働に向け、原子炉に核燃料を装填することを了承した。米メディアによると廃炉原発の再稼働容認は米国初で、世界でも異例とみられる。
人工知能(AI)の普及に伴って将来の電力需要が高まるとの見通しがあり、トランプ政権は原発活用を進める方針。パリセイズ原発は年内の再稼働を目指しているが、再稼働にはNRCの他の手続きを経る必要がある。
同原発は加圧水型軽水炉で、40年以上稼働。2031年3月まで運転が認められていたが、電力市場の自由化進展に伴う経済性の悪化から当時の運営会社が廃炉にすることを決めて22年5月に運転停止した。
しかしデータセンターの増加で電力需要が高まるとの予測を背景に、廃炉にするために同原発を取得していたホルテックインターナショナル社が運転再開を目指してNRCに審査申請していた。
米国ではNRCが安全性を確認すれば80年の運転も可能となっている。