滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年に患者が死亡し、殺人罪に問われて服役後、再審無罪が確定した元看護助手西山美香さん(45)が国と県に計約5500万円の損害賠償を求めた訴訟で、県に約3100万円の支払いを命じた大津地裁判決に関し、県が控訴を見送ったことが25日、分かった。県警が明らかにした。
17日の地裁判決は、刑事が西山さんが否認する調書を作成せず、弁護人に対する信頼を失わせるような言動で虚偽自白を維持させるなど、取り調べは社会通念上相当とみられる範囲を超え違法だと判断。捜査報告書の不送致により適切な判決が受けられなくなったとして、県警の違法性を認定した。
記者団の取材に応じ控訴見送りを明らかにした池内久晃県警本部長は「西山さんに多くの心労や負担をかけ大変申し訳ない」と述べた。