【シドニー共同】地球温暖化による海面上昇で国土が将来水没する恐れがある南太平洋のツバルで、オーストラリアへの特別移住ビザの抽選応募がこのほど締め切られ、推定人口の9割超に当たる2474世帯の8750人が申し込んだ。オーストラリア政府が24日、最終集計をまとめた。水没に加えて人口減による国家存続の危機が現実味を帯びてきた。
ビザ発給枠は毎年280人で、競争率は約31倍。今月25日から来年1月にかけて抽選が行われ、当選した世帯が永住ビザを申請できる。
ツバルの国連推定人口は9400人。抽選応募は今月11日時点では、5157人だったが、期限の18日にかけ急増した。ツバル政府は当初「大量移住は起きない」(テオ首相)と想定していた。
圧倒的多数となった理由については、国外居住者も申し込んだことや、同じ世帯の夫婦がそれぞれ別々に抽選に応募し、配偶者や子の登録が重複しているなどの可能性が指摘されている。