なぜ朝鮮人が戦犯に?

有罪判決を受けた人が獄中で使用したタオルを紹介する高麗博物館の円谷恵専務理事=9日、東京都新宿区

 旧日本軍に動員され、BC級戦犯とされた人たちについて考える企画展「なぜ『朝鮮人』が戦犯になったのか」が東京都新宿区の高麗博物館で開かれている。同館は「日本人として裁かれながら、日本政府から謝罪も補償もなく苦難の中で生きた人たちを知るきっかけになってほしい」としている。9月28日まで。

 企画展は、植民地支配下にあった朝鮮の若者が捕虜監視員の軍属として東南アジアの収容所に送られ、終戦後に十分な審理がないまま捕虜虐待などで有罪判決を受け、23人が刑死したことなどを写真パネルで解説する。懲役刑を受けた人が、シンガポールの獄中で使っていたタオルも展示されている。

 日本政府は1952年のサンフランシスコ平和条約発効の際に、朝鮮人の日本国籍を喪失させたため、朝鮮出身の有期刑囚は出所しても国籍を理由に日本の援護施策から除外された。当事者らは55年に国家補償と名誉回復を求める団体「同進会」を結成し活動を続けてきたが、日本政府は今なお補償をしていない。

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