【カイロ共同】米国のシリア特使、バラック氏は19日、シリア南部スワイダ県の武力衝突に軍事介入したイスラエルとシリア暫定政府が停戦に合意したと明らかにした。暫定政府は、衝突が続く少数派イスラム教ドルーズ派とベドウィン(遊牧民)武装勢力の「即時停戦」を宣言し、各勢力に敵対行為を直ちにやめるよう求めた。ただ、衝突が収束するかどうかは不透明。シリア人権監視団(英国)によると、衝突の死者は900人を超えた。
暫定政府は16日も停戦合意を発表したが、守られず、その後に戦闘は再燃。暫定政府は19日、現地に部隊を再派遣した。AP通信によると、国連は18日、衝突が13日に始まって以降、8万人近くの住民が避難を強いられたと表明した。
イスラエル軍はシリアにまたがって居住するドルーズ派の保護を掲げて介入を正当化し、シリア南部や首都ダマスカスを攻撃した。シリアのシャラア暫定大統領は19日、イスラエルの介入で国の安定が脅かされたと改めて非難。「シリアは分断の実験場ではない」と述べ、沈静化を訴えた。