日本生命保険から三菱UFJ銀行への出向者が同行の内部資料を持ち出していた問題で、日生は18日、金融庁から保険業法に基づく報告徴求命令を受けたと発表した。日生は「命令を重く受け止め、実態解明に全力を尽くすとともに、再発防止の徹底に努める」とコメントを出した。
生命保険協会の高田幸徳会長(60)=住友生命保険社長=は18日、この問題に関し、同様の事例がないか協会として調査を検討する考えを示した。18日付で会長に就いた高田氏は、就任会見で「必要が出てくれば協会として適切に対応する」と述べた。
生命保険業界では代理店への出向者による個人情報の不正取得などが相次ぎ、既に各社が調査を行っていた。高田氏は「事案の詳細が不明で、現段階でコメントはしづらい」としながら「調査を行ったが漏れはないのか。状況を見て必要があれば調査する」と語った。
日生の出向者は「社外秘」と認識しながら、三菱UFJ銀の行員が保険商品を販売した際の業績評価体系などが記された資料を、2024年春に写真撮影して持ち出した。