患者死亡再審無罪、県に賠償命令

大津地裁=17日午後

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年に患者が死亡し、殺人罪に問われて服役後、再審無罪が確定した元看護助手西山美香さん(45)が、国と県に計約5500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で大津地裁は17日、県に約3100万円の賠償を命じた。池田聡介裁判長は、県警による自白の誘導や、自然死の可能性を示唆する証拠書類を検察に送致しなかったことを違法と認めた。

 検察が県警の不当捜査を見過ごして起訴したのは違法とする国への請求は棄却した。判決後に記者会見した西山さんは、国の責任が認められなかったことに対し「最後まで闘い続けたい」として、控訴する方針を明らかにした。

 訴訟で原告側は、県警が軽度の知的障害がある「供述弱者」の西山さんの迎合的な態度や、取り調べを担当した刑事への恋愛感情を利用して「人工呼吸器のチューブを外した」とする虚偽の自白を誘導したと主張。また患者が「たん詰まり」で死亡した可能性を示す捜査報告書を検察に送致しないなど捜査に違法性があったと主張した。

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