首里城「琉球の赤」復元

再建工事の進む首里城正殿の塗装に携わった森田哲也さん=4日、那覇市

 2019年の火災で焼失し、再建工事が進む首里城の正殿で外壁の塗装が終わり、「琉球王国時代の赤」がよみがえった。風雨から正殿を守る仮設の建物「素屋根」の解体作業も始まり、順調なら10月末には正殿が6年ぶりに姿を現す。26年秋を目標とする再建の完了まで残り1年余り。現場の塗装職人は「内部の塗装はこれから。ここからが本番」と意気込む。

 15世紀に成立した琉球王国の拠点だった首里城は、1945年の沖縄戦での焼失後、92年に正殿などが再建された。火災後の今回の再建では王国時代の古文書を基に天然由来の顔料を復元し、塗装に使用した。職人の森田哲也さん(48)は「(火災前より)落ち着いた赤色で、王国時代の色味に近づいた」と話す。

 92年の再建時はかつての顔料の詳細が分からず、市販の顔料を用いたが、その後に研究が進んだ。漆を塗った後の上塗り用に、復元した天然由来の顔料「久志間切弁柄」や、植物の種子から採れる油「桐油」を用いた。外壁の塗装は昨年2月に始まり、先月終わった。

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