防衛省、今秋の観艦式の中止検討

防衛省

 防衛省が今秋、神奈川県沖の相模湾で予定している観艦式の中止を検討していることが24日、複数の政府関係者への取材で分かった。日本周辺で活動を強めている中国軍やロシア軍などへの対応で、警戒監視に当たる自衛隊の艦艇や航空機の運用が逼迫していることが背景にある。

 観艦式では多数の海自艦艇が相模湾を航行するほか、陸海空3自衛隊の航空機も参加。自衛隊最高指揮官である首相も出席する。政府関係者によると、警戒監視を優先するとの考えから従来方式での開催は見送る方向だ。代わりに数隻を港に停泊させて小規模なイベントを開く案がある。

 外国艦艇などの活動の活発化を受け、警戒監視を担う自衛隊の負荷は増加。海自は人員や艦艇が恒常的に足りない状況だ。中国海軍の空母2隻が今月、太平洋で同時に航行し、うち「遼寧」は、中国が制海権確立を目的に伊豆諸島や米グアムをつなぐ海上ライン「第2列島線」を中国空母として初めて越えた。中国軍戦闘機による海自機への接近事案もあった。

 観艦式や観閲式は陸海空3自衛隊が持ち回りで開催している。

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