イスラエルとイランの交戦を巡り、イランに在留する日本人らを乗せた日本政府の退避バスの第2陣が21日、隣国に向け首都テヘランを出発した。関係者が明らかにした。航空自衛隊のC2輸送機2機が21日、邦人退避に備え、空自美保基地(鳥取県)からアフリカ東部ジブチに向け出発した。空自と陸上自衛隊の隊員計約120人が搭乗。現地で中東情勢を分析しながら、ジブチにある自衛隊拠点で待機する。
日本外務省によると、政府は19~20日にかけ、イランからアゼルバイジャン、イスラエルからヨルダンにそれぞれ邦人を退避させた。在留邦人は20日午前時点で、イスラエルに約千人、イランに約220人いる。
防衛省制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長は19日の記者会見で「中東近傍で待機し、(退避の)タイミングを逃さないようにする」と強調した。
自衛隊法は、外国での騒乱や災害などの緊急事態に際し、邦人の安全確保のため自衛隊を派遣し、輸送することを認めている。日本大使館などの現地職員や日本人の配偶者らは外国籍であっても対象とする。