フィンランドのストゥブ大統領が10日、東京都内で講演し、隣国ロシアのウクライナ侵攻や自国第一主義を掲げるトランプ米大統領の復権で、民主主義などの価値観に基づき多国間で協調してきた世界秩序が損なわれていると危機感を示した。利害関係が中心の「混沌」や「無秩序」が広がっているとの認識を示した。
ストゥブ氏はロシアについて「DNAの根底にあるのは帝国主義だ。常に土地を奪うことで存在を確立してきた」と述べた。
また、米国が今後も西側諸国のリーダーを続けていくかどうかは「分からない」と強調。今後も多国間主義に基づく秩序を維持するには「パワーバランスを変える必要がある」と述べた。(共同)