財政「ギリシャより悪い」に反論

石破茂首相

 石破茂首相が、日本の財政状況は2009年に財政危機が表面化したギリシャより悪いと説明し、波紋を広げた。国民民主党の玉木雄一郎代表は、首相の主張を突き崩す指標を示し反論した。

 「わが国の財政状況は間違いなく、極めてよろしくない。ギリシャよりもよろしくない」。首相は5月19日の参院予算委員会で、財政状況を理由に減税を「ちゅうちょしているのではないか」と問いただした国民民主の浜野喜史氏に反論した。

 首相の念頭にあるのは、国の累積負債を示す「政府債務残高」に対する国内総生産(GDP)の比率だ。国際通貨基金(IMF)によると24年の日本は約236%で、09年当時のギリシャ(約128%)を大きく上回ったのは事実だ。

 一方で、これとは別の指標を根拠にかみついたのが、財務省出身の玉木氏だ。翌20日の記者会見で、単年度の財政の健全性を表す財政赤字のGDP比は、09年当時のギリシャが15・4%であるのに対し、25年度の日本は1・8%だと説明し、ギリシャほど危機的状況ではないと主張した。

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