【ボストン共同】米東部ボストン郊外のハーバード大で29日、卒業式が開かれた。ガーバー学長は祝辞で「世界各国から集まった学生のみなさん。これがあるべき姿だ」と強調。ハーバード大を一方的に敵視し留学生受け入れ資格剥奪に乗り出したトランプ政権にくぎを刺すと、会場は大きな歓声と拍手に包まれた。
卒業生代表の一人として演説した中国出身の女子学生は32カ国の同級生77人と共に学んだという。「世界地図が実在の人間の笑い声で鮮やかに彩られ、国際的な課題が一気に身近になった」と振り返り、学内の多様性の重要さを訴えた。
トランプ政権は、パレスチナ自治区ガザの戦闘でイスラエルに抗議する学生デモの取り締まりを拒否したハーバード大を「反ユダヤ主義」と呼んで攻撃。補助金を凍結し、調査研究の契約打ち切りも検討している。
教育学の修士課程を終えた中国人留学生(22)は「私たちは運が良かったけれど、不安を感じている在校生には申し訳なく思う」と複雑な心境を語った。