昭和初期に旧京都帝国大(現・京都大)の研究者が、琉球王族らをまつるとされる沖縄県今帰仁村の古墳「百按司墓」から研究目的で持ち出した遺骨について、京大が同村教育委員会に管理を移す形で「返還」したことが分かった。同村教委が29日、明らかにした。
遺骨を巡っては、琉球王家の子孫という沖縄県民らが返還を求めて提訴。請求を棄却した大阪高裁の確定判決で、関係者の話し合いによる解決を促していた。
京大博物館で保管されていた遺骨は今月21日、教委に引き渡された。原告側は訴訟で、墓で安置することを求めていたが、京大と教委が結んだ「移管協議書」は再埋葬はしないとした。