【イスタンブール共同】トルコ中部カマン・カレホユック遺跡で1980年代から発掘調査を続け、中近東文化センター付属アナトリア考古学研究所長を長く務めた同研究所名誉所長、大村幸弘さん(78)が20日死去した。研究所によると、同日朝、中部の自宅で体調不良になり病院に搬送されたところ、死亡が確認されたという。
病院関係者は共同通信の取材に「事故などではなく、自然な形で亡くなられた」と述べた。
カマンでの発掘を通じ、史料が少なく謎に包まれていたことから「暗黒時代」とも呼ばれていたヒッタイト帝国滅亡後の時代や、人類史の転換点となった「鉄」のルーツを追い続けてきた。
46年、盛岡市生まれ。早稲田大卒業後、アンカラ大に留学。帰国後に三笠宮の発案で設立された中近東文化センターに勤務した。85年以降、カマン・カレホユック遺跡の調査に携わってきた。昨年12月にはトルコを公式訪問された秋篠宮ご夫妻を発掘現場で案内した。
今年4月から同研究所名誉所長を務めていた。