厚生労働省が2日発表した3月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月を0・02ポイント上回る1・26倍で2カ月ぶりに上昇した。総務省が同日公表した3月の完全失業率(季節調整値)は、前月より0・1ポイント上昇の2・5%で、5カ月ぶりに悪化した。定年や雇用契約の満了での離職が増えた。
有効求人倍率はハローワークの求職者1人当たり、何件の求人があるかを示す。有効求職者数は1・2%減、有効求人数は0・3%増だった。
厚労省の担当者は「訪日外国人の宿泊需要などで求人が増えた一方で、物価高の先行き不安や賃上げを見据えて転職の動きが鈍くなった」との見方を示した。
2024年度の平均値も公表した。有効求人倍率は前年度比0・04ポイント低下の1・25倍。原材料や光熱費が高騰し、多くの産業で求人が減ったため2年連続のマイナスとなった。完全失業率は前年度比0・1ポイント低下の2・5%で、2年ぶりに改善した。