年金制度改革法案の国会への提出が4月中は間に合わず、5月以降にずれ込むことが23日分かった。夏の参院選での争点化を避けるべきだと自民党内で慎重論があり、調整に時間がかかっているため。複数の政府、与党関係者が明らかにした。石破茂首相は23日の党首討論で年金法案を「きちんとした形で出す方針に変わりはない」と語った。バブル崩壊の影響を受けた「就職氷河期世代」の支援に努めていると説明し、理解を求めた。
国民民主党の玉木雄一郎代表は、法案から基礎年金(国民年金)を底上げする案を削除する方針を固めた政府対応を批判。「就職氷河期世代の最低限の年金を保障する意義があったのに、参院選に不利になるから削除した」と指摘した。
首相は「選挙対策ではない。納得できる法案提出に向け最終的な議論をしている」と反論。就職氷河期世代の就労支援に触れ「何もしていないわけではない」と述べた。
一方、立憲民主党の笠浩史国対委員長は23日の党会合で「提出しないのであれば福岡資麿厚生労働相の責任を厳しく問わなければならない。不信任も視野に入れて対応したい」と述べた。