食中毒の原因となる寄生虫がいない陸上環境で養殖され、生食可能なサバの出荷式が10日、福島県浪江町の道の駅なみえで開かれた。当面は県内で販売されるが、「かもめミライ水産」(同町)は、2027年までに年間60トンの生産を目指し、「福の鯖」としてブランド化して国内外への展開を見据える。
試食した吉田栄光町長は「脂がのっている。生のサバってこんなにおいしいんだ」と驚いた様子。町の水産業は原発事故後厳しい状況にあるとして、新たな特産品となることに期待を示した。
サバは町内の施設で養殖。人工海水を浄化して再利用しており、食中毒の原因となる寄生虫アニサキスを取り込む心配がないという。