群馬県高崎市の上信電鉄の踏切で2024年4月、犬を連れた小学4年の女児が列車にはねられ死亡した事故で、運輸安全委員会は27日、調査報告書を公表した。女児が踏切に入った犬を追い、列車の接近に注意を向けることができなかったと推定。現場は遮断機や警報機がない「第4種踏切」で、廃止するか遮断機などを備えた「第1種踏切」に切り替えるのが望ましいとしている。
報告書によると、事故発生前の22年2月、上信電鉄は高崎市に対し、第4種踏切の存廃に関する調査を実施。市は地元の意向が分からないため廃止できず、警報機などの設置費用を負担することもできないと回答し、協議は進まなかった。
事故後、現場の踏切に警報機などを設置することが決まり、25年度中の施工を予定している。
安全委の担当者は取材に「第4種は廃止すべきだと長年訴えている。関係者は事故が起きる前に対応してほしい」と話した。
事故は24年4月6日午前、馬庭―西山名間の踏切で発生。現場近くに住む女児=当時(9)=が上り列車にはねられて死亡した。