生きづらさを抱えもがく若い女性らをテーマに、20代の女性監督が夜の新宿・歌舞伎町のガールズバーを舞台にした長編映画「天使たち」を製作し、各地の劇場で公開予定だ。近年は居場所をなくし、夜の街をよりどころにする10~20代が増えている。監督の木村ナイマさん(23)は「社会の中でつらい思いをしている人のために映画を作り続けたい」と語った。
木村さんが自身の水商売の経験や、ガールズバーでの取材を基に脚本を執筆。製作陣は大学時代の仲間が中心で、資金はクラウドファンディングで募った。足りない分は借金もした。
昨年11月、和歌山県の映画祭で入賞。完成を記念し、同月に木村さんの出身地、福岡市のミニシアターで1日限定の上映会を開催した。東京・新宿や大阪・梅田でも上映される予定。
舞台は、21歳の女子大生と高校を卒業したての19歳が働くガールズバー。誰をも受け入れているようで、誰もが代替可能になり得る夜の街で、自分の望みや存在意義を見失い、虚無感を抱く2人が寄り添う姿を等身大の目線で表現した。