【ベルリン共同】「われわれはかつてないほど強力になった」。ドイツ連邦議会(下院)選挙で「極右」と称される反移民の右派「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進した。ベルリンで23日開かれた集会でワイデル共同代表が「勝利」を宣言すると、会場は歓声に包まれた。ドイツ社会には不安も広がり、抗議デモは「反ファシズム」を訴えた。
支持者らでぎゅうぎゅう詰めの集会場。拍手で迎えられたワイデル氏は「われわれはしっかりと根を下ろした」と満足そうな表情で演説した。
保険会社勤務シルビアさん(37)は「実はもっと期待していたが、うれしい結果だ」と喜んだ。以前は左派を支持していたが、移民が増え「どこにも安全な場所がない」と感じるようになって転向。「移民はもうたくさんだ」と憤る。
一方、集会場から目と鼻の先では、数百人が「AfDはくそ食らえ」「ファシズム反対」のシュプレヒコールを連呼し、抗議の声を上げた。AfD躍進の結果が伝えられると、大音量のサイレンを鳴らし、動員されていた警察と対立。現場は一気に緊張に包まれた。