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未来支える 地域の光に 2地区の子どもたち奮闘

 少子高齢化と過疎化が進む杵築市で、子どもたちの活躍が住民を元気づけている。地域で長年続いてきた伝統芸能やスポーツの灯を絶やすまいと奮闘する2地区の姿を取材した。 

住民の声届き“復活”へ 7年前に解散「大田少年野球ク」
 メンバー不足などで7年前に惜しまれながら解散した「大田少年野球クラブ」。34年間、世代を超えて愛されたクラブの復活を目指して、地元の子どもたちが練習を始めている。
 盆休みに開かれる地元の恒例行事「12時間忍耐ソフトボール大会」。子どもたちが出場しなくなり寂しいとの住民の声を聞き、大田地区で林業を営む福田明彦さん(45)が子どもたちに声を掛け9人が集まった。
 メンバーは大田小学校のグラウンドで週1回、汗を流す。大半が野球初心者で、ユニホームやジャージーなど格好もバラバラだが、練習に対する姿勢は真剣そのもの。主にキャッチボールやバッティングなどの基礎練習に熱心に取り組んでいる。
 監督を務めるのはクラブのOBで同地区出身の小川健史(たけふみ)さん(24)=消防士。「まずは野球の楽しさを知ってほしい」と練習を試合形式にするなど、子どもたちが飽きないように工夫をしている。小川さんは小学生から野球に打ち込み、杵築高校の副主将として甲子園への出場を果たした。「自分が野球を続けられたのも地元にチームがあったおかげ。今度は自分が恩返しをする番」と指導に熱が入る。
 市内山香町の別の野球クラブにも所属する甲斐洸聖(こうせい)君(9)=同4年=と福田峻大(たかひろ)君(7)=同2年=がけん引役。掛け声やフォームなどメンバーのお手本になっている。最年長の田原蓮央(たわら・れお)君(11)=同5年=は「友達と野球ができて楽しい。初めてで難しいけどみんなで試合に出られるように頑張りたい」と気合が入る。
 現在、同地区では子どもができる習い事が少なく、野球やサッカーなどは地区外に通う子どもがほとんど。保護者の送り迎えが必要となるため、入会を諦める子どもも少なくないという。
 福田さんは「子どもたちが野球をできる場を残してあげたい。大会などに参加できるよう、もっとメンバーを増やしたい」と意気込んでいる。
 入会希望者は福田さん(TEL090・3194・4469)。

経験者が記憶頼りに指導 「立石楽」児童らが守る
 「ドンドン」「ピーヒャラ」―。市内山香町の立石地区公民館から聞こえてくる太鼓や笛の調べ。地元の伝統芸能「立石楽」(県指定無形民俗文化財)を後世に残そうと子どもたちが練習する音だ。
 立石楽は同地区に300年以上前から伝わるとされる伝統芸能で、地元住民らが代々受け継いできた。近年は、大人の後継者不足などを理由に立石小の児童が担い手となってきたが、昨年、中心的な指導者が亡くなった。他の指導者も高齢化で教えることができず、技術の継承が途絶えた。立石楽をメイン行事としていた天満社(山香町立石)の秋季大祭も開催自体が取りやめになってしまっている。
 「立石楽がこのままなくなるのは寂しい」。地元住民の声を聞いた市教委が同校の在校生や卒業生に呼び掛け、小学校2年生から高校3年生まで約10人が集まった。大人の指導者が見つからなかったため、昨年10月ごろから子どもたち主導で練習を開始。今年11月に開催予定の「山香ふるさとまつり」でのお披露目を目標に頑張っている。
 リーダーを務めるのは最年長の二宮和敬(やすたか)さん(17)=日出総合高校3年。練習は記憶と過去の映像だけが頼り。二宮さんを含む経験者5人が太鼓と笛、かねの各楽器ごとに分かれて、手探りで他のメンバーに教えている。
 二宮さん自身、練習は小学校卒業以来。「あいまいな記憶も、みんなで集まり補うことで形になってきた。自分が担当する笛も、昔の勘が戻ってきた」と軽やかな音色を響かせる。
 太鼓をたたくメンバーの一人、芋岡海人君(10)=立石小4年=は立石楽初体験。「舞と楽器の演奏を同時にするのが難しいけど、年齢の近い先輩が教えてくれるので楽しい」と笑顔。二宮さんは「地域の少子高齢化が進み、地元からいろいろな文化がなくなっている。自分たちが教わってきた立石楽だけでも未来に残したい」と力を込める。
 練習は毎週水曜日午後6時半から同8時まで。メンバーは随時、年齢を問わず募集している。問い合わせは同公民館(TEL0977・76・2301)。
※この記事は、9月6日大分合同新聞朝刊9ページに掲載されています。
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