津久見市教育委員会が策定したカスハラ対応マニュアル
【津久見】津久見市教委は、学校現場でのカスタマーハラスメント(カスハラ)に関する対応マニュアルを策定した。教職員の人権を尊重し、子どもの学びの機会を保障する安心安全な学校づくりを進める目的。各教委によると、県内の市町村教委が独自でカスハラ対策を取るのは初めて。
学校教育課によると、昨年度は保護者対応による精神的負担が原因で、市内の小中学校に勤務する複数の教職員が休職した。同じ状況が続くと授業の遅延などが生じる恐れがあるため、昨秋から対策を話し合っていた。
マニュアルでは、ハラスメント行為を▽時間拘束▽暴言▽威嚇・脅迫▽暴力▽交流サイト(SNS)やインターネット上での誹謗(ひぼう)中傷―の五つに分類。いずれも保護者から常識の範囲を超えた要求や人格を否定するような言動を受けた場合には、市教委や警察、弁護士などに相談して解決を図るとしている。
昨年12月に市連合PTAに素案を提出。了承を得た後に内容を精査し、今月1日付で市内の小中学校に通知した。「カスハラという言葉が教育現場に適しているのかという議論はあったが、教職員を守る姿勢を示すため、あえて軟らかい表現にしなかった」と同課。
後藤栄一市教育長は「特に若い教職員が一人で背負い込んでしまう事態を防ぐ必要がある。方針を周知することで、改めて保護者との信頼関係の構築に努めたい」と話した。