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202042日()

歌うラーメン店主「人生、何度でもはい上がれる」

店で即興ソングを披露することもあるラーメン店主の塩月辰朗さん=大分市金池南の「らぁ麺まる月」
店で即興ソングを披露することもあるラーメン店主の塩月辰朗さん=大分市金池南の「らぁ麺まる月」

 よく伸びる歌声の良さに驚く。懐かしい昭和のフォークソングや、聴く人の心に染み入る自作のラブソング。かと思えば、おどけた歌詞で笑わせる。
 発展目覚ましいJR大分駅南で人気のラーメン店を営む塩月辰朗さん(35)。仕事の合間、湯切りをギターに持ち替えて、歌を披露している。
 兄の影響で小学5年からギターを始め、プロミュージシャンを目指した。高校を中退し、17歳で上京。自分を高めようとオーストラリアなど海外留学も経験した。東京で約4年間、アルバイトをしながらライブハウスや路上でオリジナル曲を歌った。
 だが現実は、音楽で食べていける人はほんの一握り。だんだんと自分がやりたい楽曲とのずれが広がり、自信をなくして帰郷した。「辞める勇気だけは人一倍あるんですよね」と当時を振り返り自嘲する。
 「ごまかしてばかりの生き方じゃだめだ」。留学先で知り合った人を頼って、沖縄のラーメン店で働くことに。9年修業を積み、2017年、大分に戻り開業した。
 引き継いだ味に自信はある。足繁く通うファンも多い。客へのさりげない気遣いや愛嬌の良さも魅力だ。「一杯一杯、気持ちを込めて作っている。目に見えないけど、おいしさを左右する大切なこと」と真面目な顔をのぞかせる。
 常連客との縁で、またステージにも立ち始めている。店の宣伝を兼ねて歌ったのが受け、来店客にリクエストされることも。「家族やお客さんに甘やかしてもらってばかり。いつか恩返ししたい」と頭をかきつつ、「音楽もまた本格的にできたら。人生は何度でもはい上がれる」。挑戦を続ける。

 しおつき・たつろう 佐伯市蒲江出身。実家は老舗の酒屋。妻と3人の男の子と大分市内で暮らす。

※この記事は、10月22日 大分合同新聞 朝刊 17ページに掲載されています。

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