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W杯で復興進む姿を世界に 岩手県・釜石市

切り拓けおおいた新時代 第7部それぞれのレガシー

 三陸の海と山に向き合う大地に、よく手入れされた芝が映える。
 6月中旬。岩手県釜石市の釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムは、秋のラグビーワールドカップ(W杯)に向けて仮設席の設置工事が進んでいた。
 「新たな聖地になってほしい」。現役ラガーマンでもある同施設の管理サブマネジャー、佐々和憲(50)は楽しみに待っている。
 無敵の実業団チームを擁したラグビーの街に「世界」がやって来る日を……。

 2011年3月11日。東日本大震災の津波が鵜住居地区の小中学校を襲った。約600人の児童、生徒は手を取り合って高台へと走り、難を逃れた。
 全国12会場で唯一の新設スタジアムは校舎の跡地に立ち、巨大な防潮堤を間近に望む。「W杯だけでなく、震災の記憶と防災の知恵を将来に伝える存在です」。市W杯推進本部統括部長の正木隆司(59)は強調する。
 沿岸部の同地区は市内で最も被害が大きかった。8年が過ぎた今年3月、被災したJRに代わって三陸鉄道リアス線が開通。資材と人手の不足で滞っていた家屋の建設も動き始めた。
 釜石が大会誘致に立候補したのは5年前の14年7月。「元通りではないが、少しずつ前に進んでいる」。震災後から復興業務に携わる市推進本部事務局主任、渡辺朝子(ともこ)(42)=大分市出身=は言う。

 「鉄の街」から北に約30キロ。佐伯市出身の椎屋百代(44)が暮らす山田町にも工事車両が行き交っていた。
 商店が軒を連ねた海沿いの国道45号は津波にさらわれた。町の商工会や観光協会で働いていた椎屋は、失われた商店街の事務局長として再興に深く携わる。
 15年の冬、6店で再出発した「新生やまだ商店街」は生花、レストランなど9店まで増えた。
 街並みは変わり、住む人も変わった。「人のつながり」を結び直す役割を担う商店街でありたい、と思っている。「W杯が被災地の気持ちを押し上げてくれたらうれしい」

 新日鉄釜石ラグビー部は昭和が終わりに差し掛かる頃、前人未到の日本選手権7連覇を果たした。
 大漁旗がはためく旧国立競技場の決勝は、東北人の記憶に刻まれている。「岩手県民の誇りです」。県W杯推進室大会運営課長の高松秀一(57)は言い切る。
 だからだろう。県内33市町村のうち、公認キャンプ地の盛岡など16市町村がパブリックビューイング実施に手を挙げる。W杯への関心は高い。
 震災で寄せられた支援への感謝と、元気に歩む姿を全世界に伝えたい――。
 もうすぐ復興のホイッスルが鳴り響く。
 =敬称略=

 W杯を切り口に大分の未来を探る年間企画「切り拓(ひら)け おおいた新時代」第7部は、県外の開催都市が追い求めるレガシー(遺産)を伝える。
※この記事は、7月13日大分合同新聞朝刊1ページに掲載されています。
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