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3万人に癒しと励まし アルゲリッチ財団

育んできた〝心〟 ピノキオコンサート100回(上)

 21回目の別府アルゲリッチ音楽祭(5月12日~6月2日)を成功させたアルゲリッチ芸術振興財団。世界的音楽家の華やかな共演で注目を集める音楽祭事業の傍ら、音楽を通じた育成・教育活動も歩みを止めることなく継続してきた。その代表的な活動である「ピノキオコンサート」は記念すべき100回を超えた。「音楽を通じた心の育み」を追った。

 101回目の「ピノキオコンサート~大人とこどものための音・学・会」は6月初め、東京の駐日スイス大使公邸が会場に。元号も令和に改まり、新たな歴史を刻んだ。国内外から集まった約80人の招待客を前にジャン=フランソワ・パロ大使がその理念を称賛。マルタ・アルゲリッチは「今後の私たちの活動にとって大変有意義なこと」と活動継続へ意欲を示した。「心を育む」取り組みを、昨年のローマ公演に続き〝世界〟へ発信する大切な舞台だった。
 コンサートは、音楽祭と同じ1998年、「子どものための無料コンサート」として始まった。アルゲリッチや同財団副理事長の伊藤京子、その他の一流アーティストたちが出演し、県内外の各地を訪問。2007年から現在の名称に変わり、これまで約3万人にも及ぶ子どもと大人たちに上質のクラシック音楽を届けてきた。
 あまたのコンサートと異なるのは、演奏の合間に伊藤による「おはなし」が挟まれること。近年は子どもへの虐待やいじめの問題など憂うべき事柄も踏まえて、「子どもは宝物」「人は一人一人違っていい」と語り掛ける。「顔を合わせてコミュニケーションを取ることの大切さ、自分を受け入れてもらい、他者のことも受け止める寛容の心」などのメッセージも音楽と一緒に伝えている。
 ピアニストとしての自らの経験から「音楽には心に作用し情感に訴える力がある」と確信する伊藤。「音楽に携わる者も社会と関わっていかなくては。人が人であり続けられるために自分たちに何ができるのかが問われている」。そんな信念がピノキオコンサートの形で実を結んだ。
 終了後のアンケートには、さまざまな感想が寄せられる。「言葉の大切さが分かった」「心が癒やされ言葉にならない感情が沸いてきた」。仕事や家事、育児に追われる母親たちも「大切なことを思い出せてもらった」。
 芸術活動を人間教育のインフラと位置づける独自の取り組みは、多くの子どもと大人に勇気と励ましを与えてきた。(文中敬称略)
※この記事は、7月8日大分合同新聞夕刊11ページに掲載されています。
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