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太宰治と宇佐、中津の縁を紹介 15日まで資料展

「斜陽」モデルの愛人、安心院が本籍地

 昭和の文豪・太宰治(1909~48年)の生誕110年を記念した資料展が宇佐市上田の市民図書館で開かれている。15日まで。「斜陽」の題材となった日記を提供した作家太田静子は安心院町が本籍地。宇佐・中津市とゆかりがある。「宇佐と太宰の関係はあまり知られていない。資料展を機会に太宰の新たな魅力を見つけてほしい」としている。
 太田は太宰の愛人。市民図書館によると、太田家は十数代にわたって医師を家業とし、中津藩の御殿医を務めた。妻を主君に取られたため、御殿医を辞め宇佐で開業。その後、静子の祖父の代に近江(滋賀県)に引っ越した。
 太平洋戦争中、静子は叔父大和田悌二(日本曹達(ソーダ)社長)の世話で、叔父の友人加来金升(院内町出身、印刷会社社長)が所有する別荘「雄山荘」(神奈川県小田原市)に母と疎開した。戦後の47年に太宰が来訪し、静子が娘を身ごもった。太宰は翌年、東京都の玉川上水に別の愛人と入水した。
 娘は本名の津島修治から一字を受け「治子」と名付けた。作家として現在も活動している。
 企画展は「斜陽」「ヴィヨンの妻」「桜桃」の初版本、太宰関連のチラシやポスター、記念バッジなど計86点を展示。宇佐市出身の大横綱双葉山の人間性に感銘を受けたエッセー「横綱」も紹介。執筆のきっかけとなった双葉山の書「忍」の掛け軸などもある。
 太宰の生誕地・青森県五所川原市立図書館の呼び掛けで全国の58図書館で実施している企画展の一つ。

<メ モ>
 「斜陽」は太宰治の代表作の一つ。主人公かず子は太田静子がモデルとされる。華族の家に生まれ、裕福な生活を送っていた。太平洋戦争の敗戦で没落貴族となった。伊豆に移り住んで母の介抱をする中、戦争から帰還した弟直治は家の金を持ち出し、東京の上原二郎という作家の元で荒れ果てた生活を送る。母が亡くなった後、かず子は上原に会いに東京へ。共に一夜を明かした。帰宅したかず子に弟の訃報が届く。人妻に恋をしていたことなどを遺書に残していた。上原との子を身ごもっていたかず子は、好きな人との子どもを産み育てていく。
※この記事は、7月4日大分合同新聞朝刊15ページに掲載されています。
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