大分県内ニュース
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生きたニーズ探る 情報発信は将来への布石

切り拓け~おおいた新時代 第5部インバウンドの波

 大きな荷物を抱えたスイス人女性2人組が、テーブル席に腰を下ろした。
 4月に別府市のJR別府駅構内に新設されたインバウンド(訪日外国人客)向けの観光案内所「ワンダーコンパス ベップ」。スタッフの熊代(くましろ)はるか(23)=立命館アジア太平洋大4年=は手製の観光地カードを見せて、希望を確かめていく。
 広島県を巡った後、当てもなく別府に来たというデルフィーネ・マーバッハ(33)と、ラリッサ・デロン(33)は市営竹瓦温泉と鉄輪温泉郷が気に入った。「珍しいスタイルの案内所ね。分かりやすかったわ」

 カフェのような間取り。コミュニケーションが取りやすい雰囲気をつくっている。要望があれば同行ガイドも引き受ける。
 同じブランド名の案内所は国内に3カ所あり、ネットワークで結ばれている。東急電鉄(東京都)が展開し、泉都では市の外郭団体「ビービズ・リンク」が運営。案内業務と同時に、まだデータが少ない国や地域の来日客から生きたニーズもつかもうとしている。
 「その場所に行きたい理由や、何を面白がっているかまで聞く」。コーディネーターの後藤寛和(38)は効果的な売り出し方を探るため、深い情報を求める。
 狙いはもう一つある。同団体が欧米・オセアニアの外国人客600人に市内で聞いたアンケート(昨年6月~今年3月に3回実施)では、回答者の半数が来日2回目以上のリピーターだった。
 少しでも早い段階で別府に引き込めないか―。他のワンダーコンパスは訪日客がひしめく東京・渋谷駅と京都タワー(京都市)にある。いわゆるゴールデンルートに「接点」ができた意味は大きい。

 今秋のラグビーワールドカップ(W杯)は海外から数十万人規模の観戦客が来日する。準々決勝など5試合がある県内もかつてない光景が広がるだろう。
 ただ―。「外国人観戦客の目的はあくまでもラグビー。それは忘れない方がいい」。ある観光関係者はくぎを刺す。
 行楽は二の次と考える彼らを、旅人としてどう“ねんごろ”にもてなすか。会員制交流サイト(SNS)で大分の情報を世界に発信してもらうことができれば、それは将来への大きな布石になる。
 世界に誇る温泉、食、景観、おもてなし…。ツーリズムおおいた会長の幸重綱二(77)は自信がある。
 「インバウンドはいずれ大分の経済を支える存在となるだろう。経験から学んで観光素材を磨き、次代にレガシー(遺産)をつないでいきたい」
 遠く離れた国々が向こうから近づいてくる。アジアから世界へ。ウイングを広げる大分観光にW杯の追い風が吹く。
 =敬称略=
※この記事は、5月16日大分合同新聞朝刊19ページに掲載されています。
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