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進まぬ将棋普及 〝藤井効果〟定着せず 【探おおいた】

 藤井聡太七段の活躍によりメディアへの露出が続き、活況を呈し続ける将棋界。しかし次代を担う県内の子どもへの将棋普及は、世の中の〝追い風〟ほどには進んでいない。各地の将棋教室を回った。

 2011年11月の開設以降、通算で約380人の子どもに将棋を教えてきた県内最大規模の子ども将棋教室、将星会(別府市)。現在は60人ほどが学ぶ。代表の有田英樹さん(59)によると、藤井七段のプロ入り(16年10月)は受講者数に特に影響を及ぼさなかったという。
 将棋を始めたきっかけを佐藤紗和子さん(大分市西の台小3年)に聞いてみた。「おじいちゃんがやってて楽しそうだったから始めた。駒の動きが一つ一つ違い、取った駒も使えるところが楽しい」。他の子にも聞いたが、似たような答え。身近な人がやっていないと、自分でやってみようとは思わないようだ。
 将棋は性質上、どうしても勝ち負けがつきまとう。将棋教室を通じて「将棋嫌いな子も増やしてしまった」と有田さん。仕方ないとはいえ心に引っ掛かり続けている。将棋をコミュニケーションツールとして生かそうと、今年に入り不登校の子向けに将棋のPRを強化。教室以外に別府市内の公民館にも活動の場を広げた。「縁台将棋があった時代に将棋をしていた人たちを巻き込みたい。将棋の持つ力を試したい」と意気込んだ。

 県内では比較的長い歴史を持つ、玖珠町の子ども将棋教室。20~30年前ににぎやかに活動、その後長く中断したが3年前、〝藤井ブーム〟に合わせ復活した。ただ、復活当時30人弱いた子どもが今は半分以下。日本将棋連盟玖珠支部の日隈一秀支部長(71)は「難しい。じかに声掛けをする大人がいないと増えない」。ブームだけでは将棋人口が定着しない現状は各地同じだ。
 一方で開設当初の教室生が地元で社会人になり、教室や同町の子ども将棋大会「わらべ将棋名人戦」に協力してくれるようになった。長い時を経て育った、普及の新たなマンパワー。日隈支部長は「地域、学校、行政などから協力してもらえるネットワークをつくり、社会教育の一環として将棋に触れてもらえる機会を増やせれば」と夢を語る。

 竹田市では同連盟の普及指導員資格を持つ山村寿孝さん(47)が16年秋に教室を開設。市中央公民館玉来分館で月1回教えているが、受講者は4~8人。子どもたちが成長を感じられるよう初級の段階を細分化し、勝敗以外にできたことに応じ独自の級を認定するなど指導法を工夫している。
 今年に入り豊後大野市の教室との交流も始め、子どもたちが刺激を受ける場を広げた。「互いの拠点に定期的に集まれる仕組みが、地域ごとにできれば。将棋を続けられる場を、ブームが過ぎ去っても残したい」と前を向いた。

〇指導者確保や質に課題
 県将棋連合会によると、県内で子どもを対象にどの地域からでも参加できる将棋の教室や練習会は、少なくとも6市1町に13会場ある。
 自らも県立総合体育館などで講師を務める同連合会の七蔵司(ななぞうし)仁紀(ひとし)幹事長(63)によると藤井七段のプロ入り以降、大分市内を中心に会場が増えてはいるものの、参加人数の顕著な増加は見られないという。
 指導者の確保と指導の質の向上も課題。系統だった指導法が求められてはいるものの県内ではまだ未発達で、教材開発は個々に委ねられているのが実情だ。
 七蔵司幹事長は「ある程度の棋力があって時間が取れ、子どもにうまく教えられる人は限られる。少子化の中でeスポーツが台頭してきており、将棋界も危機感を持って指導体制を充実させなければ」と話している。
※この記事は、5月16日大分合同新聞夕刊1ページに掲載されています。
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