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97歳元俳優が朗読会 宇佐市の津崎恵二さん

 御年97歳の元俳優津崎恵二さんが古里の宇佐市で朗読会を開いている。戦争で亡くなった戦友への思いを胸に、命の大切さを伝え続ける。「生きている体を人のために役立てたい」。百寿の朗読会を目標に生涯現役を貫く覚悟だ。
 3日は市民図書館で開いた。宇佐海軍航空隊などを舞台に特攻隊員の苦悩を描いた「雲の墓標」(阿川弘之原作)を披露した。市民ら約50人が臨場感のある語りに真剣に耳を傾けた。
 津崎さんは市内の尋常小学校を卒業。大分新聞社で2年間、校閲と校正の仕事に就いた。20歳で陸軍に召集された。戦場に赴くことはなく、神奈川県横須賀市の歩兵学校で終戦を迎えた。
 終戦間際の台湾で、戦友の乗る輸送船が米軍の魚雷攻撃を受け、沈んだ。「仲間のためにも、意味のある人生を送る」と決意を新たにした。
 戦後は、おじを頼り、京都市の同志社大学図書館に勤務。演じることに興味を持ち、夜は演劇活動に没頭した。演劇の本場、東京でやりたいと、劇作家木下順二さん(故人)の劇団などに参加。「若者たち」「三匹の侍」といった人気テレビドラマに出演した。
 母親を看病するため1983年に帰郷。みとった93年、地域住民に請われて朗読会を始めた。小中学生には宮沢賢治の童話などを朗読する。
 「演ずる者の使命として、作者の気持ちになって伝えたい」。練習では1カ月間じっくり読み込み、表現に深みを増していくという。津崎さんは「生きている間は元気で健康に、誠実に過ごしたい。これからも生きがいの朗読を続ける」と話した。
※この記事は、11月9日大分合同新聞朝刊12ページに掲載されています。
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