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阿部寛“まだ結婚できない男”に込めた願い「認め合える社会であってほしい」

 この秋、あの男が帰ってきた。偏屈で独善的で皮肉っぽいけどなんだかんだ憎めない、“結婚できない男”桑野信介(53)。俳優・阿部寛(55)が13年前に連続ドラマ『結婚できない男』で演じて大人気を博した桑野は、続編であるカンテレ・フジテレビ系『まだ結婚できない男』(毎週火曜 後9:00)でもさらにパワーアップ。13年経って「結婚しない男」が「珍しくなくなった」時代に、阿部はそれぞれの選択を「認め合える社会であってほしい」と作品に込めた想いを明かした。

【写真】『まだ結婚できない男』第7話で物語も佳境へと突入

 人生100年時代…と言われるこのご時世。偏屈ぶりに磨きがかかった桑野はなんだかんだで独身を謳歌中。新キャラクターとして登場する女性たちは、桑野といつも言い合いになりながらもなんだかんだいいコンビになりつつある弁護士の吉山まどか(吉田羊)、バツイチのカフェ雇われ店長・田中有希江(稲盛いずみ)、桑野の隣人で新人女優、イマドキな戸波早紀(深川麻衣)。桑野と女性たちとの関わり方もほんの少し以前とは変わったような…?

 例えば第4話では母・育代への誕生日プレゼントについてまどかに助言してもらったり、第5話では店の権利を買うことを打診された有希江に相談された桑野が、まどかから資料を取り寄せてこっそり有希江に渡す…という優しさをみせ有希江に「悪い人じゃないかも?」と思わせる。

 「今回の桑野は人とのコミュニケーションを少し、楽しむ傾向が出てきました。それは前作から繋がっていると思う。13年前、堅物で人とのコミュニケーションをとりたくなかった人間が、前作の登場人物であるヒロイン、隣の住人とコミュニケーションをとらざるをえなくなり、人とコミュニケーションは取るが毒は増すという人間に変形した様だ。今回は13年経った続編だけど、相手に自分のうんちくをたれる傾向が強まってますね。で、嫌われる」。

 桑野の人との接し方は50歳となった自らの経験が反映されている部分がある。「前回の桑野は40代くらいの設定。40歳と53歳というのは全然違う。40歳の人間が黙っているのも、まぁ怖いかもしれないけど53歳の人間が黙っていると説得力があり過ぎてさらに本当に怖い。僕より先輩が黙っていられるとやっぱり怖いわけです。そうなると桑野も多少、そういった“見られ方”を社会から感じてるわけです。

 なので、あえて自分からコミュニケーションも少しはとっていったほうがいいと。ちょっと人から受け入れられやすいように、少しは変化した部分が多少はある。年をとると、みんなオヤジギャグとかを言うじゃないですか。桑野は決して言わないけど、そのかわりブラックジョークを言ったりしてるんじゃないかな。“丸くなった”というか、さらに人恋しくなったんでしょう。そういうのは足してもいいかなと思いました」。より年齢を重ねたことで、多少親しみやすさが増した桑野像になりました。

 前作から引き続き担当する尾崎将也氏の脚本に絶大な信頼を置きながら、時にはアドリブを交えて桑野を作り上げている。「前作と全く同じ人格の桑野を作ることもできますが、周りの人間も変われば桑野も変わらないとおかしい。前作とプラス、調味料をふることによってさらに深いものを作ることではと、演じています」。

 自身も桑野と同世代の55歳。今の彼の生き方をどう思うか。「桑野はやっぱり人生を楽しんでますよね。堅物のようでまんざら堅物ではない。嫌われ者のようで嫌われていない。彼は自己を貫いて人生を楽しんでいる。人に迷惑をかけているようでかけていない、そういったバランスが絶妙で非常にすきですね」。

 「当時は結婚できない男は珍しいことで、企画が成り立った。今はネットだったりいろんなものが便利になって、どこにも行かなくても楽しめるようになり、(結婚しないことが)珍しくなくなった。逆に、社会現象になるくらいにも結婚しないところが多い。だから『まだ』をつけてほしくないという意見もあって。なるほどな、と思うんです」

 「僕が思うのは社会には色んな人がいて、それを認め合える社会であってほしいということ。結婚をしない人もいる。いろんな生き方を選んでいる人がいる。それを認め会える社会になってほしい。桑野は結婚をしたくないわけじゃなくて、実は興味津々。勇気がないだけかも。とにかく桑野は楽しく人生を生きているのは確かですよ。今回は女性との会話も楽しんでいるように思えます。決して悲観的ではなく、常に前向きで。前回はちょっと悲観する部分もあった。ある種の僻みもあったのかな。でも少し人生を前向きに考えるようになったのは成長したところですね」。

 19日放送の第7話で物語も佳境へと突入。「いよいよ、桑野の恋愛が始まっていくんじゃないか。桑野は誰に興味をもち、どういう決着をつけるのか。もしかしたらハッピーエンドではないかもしれない。今回はある種のジェットコースター的な展開のなかでどう決着がつくのかを楽しみにしていただきたい。女性陣だけでなく英治(塚本高史)など、それぞれのキャラクターの人間ドラマでもポロッとくるところがあると思います」。

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