神奈川県藤沢市の自宅マンションに火を付けて寝たきりだった父親=当時(87)=を殺害したとして、殺人と現住建造物等放火の罪に問われた高橋正雄被告(61)の裁判員裁判判決で、横浜地裁は9日、「故意に放火し、殺そうとしたと認めるには合理的な疑いが残る」として無罪を言い渡した。
佐藤卓生裁判長は判決理由で、火災発生の前日に料金滞納で電気の供給が止まり、夜にろうそくなどに火を付けて明るくしようとした可能性は否定できないと指摘。当時の精神状態から火を適切に扱えなかった可能性や、自宅がごみ屋敷状態だったことも考慮した。
被告は2024年1月16日、同居し寝たきりだった父親康春さんを殺害しようと考え、自宅に火を付けて全焼させ、一酸化炭素(CO)中毒で死亡させたとして、同年5月に起訴された。
判決は他に起訴された窃盗罪は認定し、主文を懲役1年8月、執行猶予4年(求刑懲役20年)とした。判決によると、23年12月と24年1月、コンビニでウイスキーなど計88点(販売価格計約3万8千円)を窃取した。