危険運転致死傷罪の見直しを議論する法制審議会(法相の諮問機関)の部会が9日開かれ、高速度と飲酒の適用要件に数値基準を明記した試案が示された。最高時速60キロ超の道路では60キロ超過、60キロ以下の道路では50キロ超えた場合とし、飲酒はアルコール濃度が血液1ミリリットルにつき1・0ミリグラム以上か、呼気1リットル中0・5ミリグラム以上の状態とする。いわゆる「ドリフト走行」を対象に追加した。
自動車運転処罰法が規定する危険運転致死傷罪は、高速度を「進行の制御が困難」、飲酒を「正常な運転が困難」とし、数値基準がなかった。要件が曖昧なため、悪質な運転でも適用が見送られるケースがあり、被害者遺族らが明確化を求めていた。
試案では、高速度を「重大な交通の危険の回避が著しく困難」と規定。最高時速100キロの高速道路では時速160キロを超えた走行が、最高時速30キロの一般道では80キロを超えれば適用される。飲酒は、呼気だけでなく相関関係のある血中濃度でも判断する。